治療の特徴
point
日常のケアから歯周病を防ぐ
歯周病は以前は歯槽膿漏と呼ばれていました。歯ぐきに炎症が起こって血や膿がたまり、歯を支えている組織が少しずつ壊されていく病気です。歯周病といえば「高齢者の病気」のイメージがあるかもしれませんが、細菌感染症のため「親子間での感染」や「パートナー間での感染」が考えられ、スプーンなどの食器を共用したりキスしたりすると唾液を介して歯周病がうつる可能性があります。
また全身への影響として、歯周病菌は血管内に侵入すると様々な臓器や疾患に悪影響を与えます。糖尿病や心内膜炎、早産・低体重児、アルツハイマー型認知症や関節リュウマチなど、お口はさまざまな病気の入り口になることもあるので、早期に治療することは深刻な病気の予防にも繋がります。
こんな症状でお困りではありませんか?
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ものが噛みにくい
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冷たい水などで
歯が沁みる -
歯石が固まっている
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歯茎から膿が出る
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歯が浮いたり
疼く感じがする -
口臭が気になる
歯周病治療における自費治療と保険治療の違い
保険治療というのは「最低限の機能回復を目的とした治療」です。みんなが最低限の治療を受けられるようにと国が定めた制度で、「一番効果のある治療」とは言い切れません。 付着した歯石を除去する、ブラッシングによってプラークを落とすといった物理的な清掃がメインの治療、それらはもちろん今でも変わりなくとても重要なことです。治療後は一時的に炎症は落ち着き、おいしくお食事もできるかもしれません。しかし、歯周病の原因は歯周病菌です。菌の量が減ったとしてもバランスを整えなければ、再発しやすいのです。 保険治療は細かいルールもあり、治療方法や治療に使える材料・薬にも制約があり、治療にかけられる時間も十分ではありません。
PRO SYSTEMを採用した治療
type
当院ではPRO SYSTEMを採用して治療を行なっています。
PROシステムとはperiodontal radical operation(歯周病の徹底的な治療)の略称です。歯周病の徹底的な治療を目的として様々な手法を取り入れたシステムを当院では採用しており、また1〜2ヶ月の短期間で治療が完了できるように以下の治療を行っています。
- メリット
- 短期間での治療が可能です
- 悪玉細菌を除菌し善玉細菌が有利な口腔内フローラになるので、治療後のメンテナンスがしやすくなる
- デメリット
- 保険が適用されないため、治療費が保険と比較すると高くなります
治療法を組み合わせた
PRO SYSTEM
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3DS(薬物局所療法)
今までの歯ブラシや歯科医院でのクリーニングだけでは取りきれなかった細菌(むし歯菌、歯周病菌など)を、専用のトレー(マウスピース)に薬を注入したものを装着し短期的にリスクを取り除く取り除き、口腔内除菌法です。むし歯菌(MS菌)や歯周病菌に直接作用させることで除菌効果を高め悪性度の高いプラーク(歯垢)の定着を抑える治療法です。
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プロバイオティクス
人体に良い影響をあたえる微生物の(善玉菌)のことをいい、これらを利用し体内菌のバランスを整えることをバクテリアセラピーといいます。口内フローラを整え歯周病の治療効果を高め、悪玉菌が再び体内で増殖することを防ぎます。
治療のながれ
flow
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初診
各種検査を行い、その結果で診断、治療計画をたてます。
(口腔内診査、基本検査、口腔内写真、歯周病菌顕微鏡検査、レントゲン) -
準備
型どりをして、3DS(薬物局所配送療法)のためのオーダーメイドトレーを作成します。
また、ホームケアに使用するグッズもお渡しし、正しく使用できるよう指導します。 -
3DS治療(薬物局所配送療法)
歯肉縁下歯石を除去し、薬物局所療法を開始します。(病状により1~3回)
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プロバイオティクス
善玉菌タブレットを2週間から1か月摂取し口腔内に善玉菌を定着させます。
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再評価
プロシステム治療後の歯周組織の改善度合いを確認します。
診療についての注意事項
一度の治療で歯周病の心配がなくなるものではありません。3か月に一度は当院の積極的な予防メンテナンスをお受けください。
当院の予防メンテナンスでは、歯周病検査、むし歯チェック、ポケット内除菌、PMTC、エナメルトリートメント、フッ素塗布を行っています。
治療期間は個人差があるため予定より伸びることがあります。長期間に及ぶ処置が必要な場合は、処置を複数の段階に分けて行う場合もあります。
治療開始後、状況によっては処置方針を変更する場合があります。まれにむし歯治療、または外科的治療が事前に必要となる場合もあります。
治療指定日に来院がないことが複数回におよぶ場合は、望ましい治療結果が得られないことがあります。また、治療中に行うべき家庭での処置を怠った場合は自己責任となり、指定された家庭での処置については滞りなく実施していただけない場合は、期待した効果が得られない可能性があります。
検査・診断時において既に症状が重度化しており、抜歯が必要となる歯が存在する場合には、事前の抜歯処置が必要となることがあります。該当歯の抜歯を行わずに、本治療を行った場合には口腔内全体において望ましい結果が得られない可能性があります。
よくあるご質問
FAQ
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食器の共有やペットボトルの回し飲みなどから、再感染のリスクがあります。できればパートナーやご家族とともに治療を受けられることをお勧めします。
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検査診断時において既に症状が重度化しており抜歯が必要となる歯が存在する場合には事前の抜歯処置が必要となる事があります。
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必ず必要です。治療後そのまま放置してしまうと、また元の状態に戻ってしまう危険性があります。歯周病の進行抑制や再発防止のために当院では年4回(3か月に1度)のメンテナンスを実施しています。